人間模様2

よく考えれば、突然、知らない派手なねーちゃんから「家に来ませんか?」と言われても普通は断るだろう。
そのご夫婦も「嫁に叱られますから…」と固辞なさった。

私もあまりに強引だと軟禁とか言われかねないので私の部屋番号を教え、何かあればインターフォンで呼んで下さいと操作を教えてその場を去った。お二人は何度も私に頭を下げて見送ってくれた。
依然として外は雨で梅雨寒だった。屋根があってもお年寄りが外で待つには決して快適な環境とは言えない(T_T)

私の両親も携帯を持っていない。足が不自由な父に至っては私の部屋へ来たこともないのでオートロックには戸惑うかもしれない。
どんな事情がそのご夫婦とお嫁さんの間にあるのかはわからないし、私がかなりお節介だというのも分かっているが、どんよりとした空模様の下、心細いのか、肩を寄せ合うように2人でじっと座っていた姿が今でもはっきりと浮かぶ。

後味が悪い!