赤痢の話

大手レストランで食事をした人が赤痢にかかり、営業を自粛しているという。

21世紀の日本で!?というのが正直な私の感想である。

というのは、私の父方の祖父と叔母にあたる人が赤痢で亡くなっているのだ。貧しく、不衛生だった終戦直後の話だ。

祖父は30代前半、父の姉にあたる人は9歳だったという。7月のことだったらしいが、まず祖父が病に倒れ、あれよあれよという間に他界、ちょうど1ヶ月後、祖父母の長女であった叔母が亡くなったのだという。

亡くなった直後は敗戦の混乱でそれどころではなかったのか、病名がわからなかったらしく、納得できなかった祖母が医師を引退していた自身の叔父に懇願して調べてもらい、赤痢だと判明したらしいが、どの食べ物が悪かったのかは結局、わからなかったそうだ。
祖母は先年、百歳を目前に大往生をしたが、愛する夫と幼い長女を同じ赤痢で亡くした悔しさを死ぬまで忘れることはなかったように思う。