便利だとは思うが…2

私が危惧するのは画像を多用することにより、自分の頭で考えたり、想像をめぐらすことを億劫に思ったり、しまいには苦手にならないかということだ。
コンサートの場合、目を閉じて演奏に耳を傾ける人も少なくないのでどうにもスクリーンとの相性は良くない気がする。

勿論、作曲家の顔や自分が行ったことも名前さえ聞いたこともない土地の写真が出れば便利だとは思うし、私自身、老人ホームの音楽や朗読のイベントでは関連した画像を映すこともある。

しかし、それはあくまでも認知症を患っている人も多いので鑑賞の手助けの為であり、いつも「最低限」を心がけている。

画像を追いかけるのがメインになりかねないコンサートでは決してない。

たとえハイドンの顔が浮かばなくても、ショパンの顔とごちゃごちゃになっても「どんな顔だっけなぁ?」と考えながら聴くのも一興だし、「新世界」を聴きながらイギリスを思い浮かべても間違いではない