老人ホームでの独り言

先日、祖母が入居している老人ホームで最初、少し違和感を覚えた。

「何だろう?」と、はじめは自分でもわからなかったのだが、そのうち「ああ」と思い至った。いつも廊下で大声をあげていた女性がいない。
認知症がかなり進んでいたその人は訪問客に突然殴りかかることもあったし、四六時中、大声を出していた。
祖母によると、家族は他家へ嫁いだお嬢さん1人らしいのだが、ほとんど顔を見せないし、年に一度位来てもすぐに帰ってしまうという。
祖母がしょっちゅう見舞う母と叔母を「娘なんですよ」と紹介してからは母達には挨拶さえするようになっていたというが、「寂しいだろうな」と思わざるを得ない。

そして今年に入り、次第に症状が悪くなり、現在はベッドで寝たきりになってしまったらしい。

誰が悪いのでもないと思うし、人それぞれ事情があるのもよくわかる。

それでももっと頻繁に顔を見せられないものか、自戒をこめて…!