悲しい時代2

「ドレイ工場」は高度経済成長時代の東京・江戸川のある工場を舞台に激しい労働争議が起きるというストーリーだ。「オルグ」なんて最近、全く聞かないような言葉も出てくる。

劣悪な労働環境の中、必死にもがきながら働く人々の姿が現在の不況下で派遣切りなどに苦しむ人々の暮らしと重なるということで最近、少しずつクローズアップされている作品らしい。
そう、「蟹工船」が若い世代の間で再び読まれているのと同じ発想だ。

文学や映画が長く愛されるのは素晴らしいことだと思う。

しかし、その背景にあることを考えると、本当にやりきれない思いがするのは私だけではあるまい。
私が幼かった頃、何となく21世紀は薔薇色の未来に思えた。
しかし、現実は…。「蟹工船」にしろ「ドレイ工場」にしろ、戦前や戦後すぐが舞台である。
その時代に自分を重ね合わせる数多くの今の若者達…。

戦争のない、平和なはずの今の日本で…悲しい