叔父へ

書こうか書くまいか随分悩んだ。しかし、やはり書くべきだと思った。

私の不惑の誕生日6月5日、彼から電話があった。母の従兄弟である。「元気でやっているか?欲しい物は何か?」みたいなたわいのない会話だった。

9歳の時、私は祖父を亡くした。彼には叔父にあたる。私は可愛がってくれた祖父の死が受け入れられなくて1人「火葬場には行かない。おじいちゃんは死んでない!」と言い張り、周囲を困らせた。
その時「家まで送っていくから大丈夫」と間に入ってくれたのが叔父だった。それ以来、叔父は三度の結婚、二度の離婚を経験したが、私には優しい叔父のままだった。

そんな叔父が私の誕生日直後、自ら命を絶った。当初、母は私の錯乱を心配してか、知らせてくれなかった。
私の従兄弟達が恐る恐る教えてくれた。
正直、今でも信じられないし、理解できない。どうして悩みを打ち明けてくれなかったのか!自らの非力さを悔やむ!