雨のお彼岸ーそれぞれの人生3

勿論、ホワイトデーは口実だとすぐ分かった。

彼の悩みは子供の教育問題だった。彼には離婚歴があり、子供は別れた奥さんと住んでいる。そして、今年、上の子供が私立の受験に失敗したという(T_T)

子供や元の奥さんから責められたこともあり、色々考えたのだろう。「家庭教師やってもらえないかな?忙しいのは分かってる。無理なら誰か信頼できる人を紹介してアドバイザー的なことをしてもらえると…」

皮肉なものだと思った。1を聞いて10を知るような彼にしろ、出来の悪い私にしろ、子供の頃から一度として「勉強しなさい」と言われたことがない。
だから彼も離婚前から子供の教育については全くの放任で、奥さんが必死に教育ママをしていた(T_T)そのことで彼の母親と確執があったことも知っている。

「今から教育パパになろうっていうの?」私の目に非難の色を見たのか、彼はそれっきりその話題をしないまま「少し付き合えよ」と店を出た!