花まつり落語会

 4月8日はお釈迦様の誕生日ー「花まつり」と言うそうで(あまり詳しく知らないので・・・)御寺によってはさまざまな行事がある。川口の実相寺では毎年、子供に仏教の話をすることで、将来のことやいろいろなことを考えてもらおうという取り組みをしている。
 今年はその会に立川吉幸さんを招いて、一席はもちろん、落語家になったきっかけやらなんやらを話してもらおうということになった。流行のニート対策だという。正直言って、始まるまでは非常に不安だった。昨年11月の行事の際にも三遊亭全楽師匠を招いたが、ほとんどの年よりは「ただだから来た」みたいな感覚で私語が多く、本当に聞きたくてきた人はがっかりした。私なんてまじめにその年寄りをはりたおしたかったくらい・・・
 そこで緊張に緊張をして当日を迎えたが、子供は本当に真剣に、そして楽しんで聞いてくれた。落語家がよく言うのだが、大人が勝手に「子供は落語わからない」なんて決め付けるだけで、実際生で聞くととても理解が早いし、喜ぶのだ。
 演題は「子ほめ」という古典だったが、70名を超える観客は皆、爆笑の渦だった。この演題も住職からは「寿限無を」というリクエストがあったが、吉幸さんが自身で決めたもの。確かに「寿限無」や「まんじゅうこわい」を知らない子供はほとんどいないと思うが、それ以外でも落語にはわかりやすく、楽しい噺がたくさんあるんだよ、堅苦しくなんかないからねという強烈なメッセージだったのだと思う。
 わかったことがいくつかある。「最近のこどもは話を聴かない」というのは間違いで「大人が聞かないからどう聞いたらいいかわからない」のではあるまいか。
 そんな重いテーマを考えながら夜は陽気にエスニック料理を食べにいってしまったのであった