家庭教師の話

最近は、生徒とのジェネレーションギャップが大きすぎて自分自身で教えることはほとんどなくなったが、以前は家庭教師をしていたので、今でも家庭教師の紹介を頼まれることが多い。

そんな中、先日持ち込まれた案件には色々考えさせられた(涙)個人情報なのであえて曖昧に書くのをお許し頂きたいが、ある中規模の家庭教師紹介センターから派遣された女子大学生とどうも教育方針が合わないので…というご家庭からのご相談から話は始まる。

小学生の算数をお願いしていたのだが、計算問題を解くのに電卓や携帯の電卓機能を使い、自分の頭で解かないというのだ。高校などによっては関数などの計算に電卓を使うのを許可している学校もあるとは聞くが、生徒さんはこれから基礎力をつけないといけない小学生である。しかも、生徒さんが通う私立学校には特に漢字の読み書きや計算力を重視しているらしく、算盤の授業もあるという。

やんわりと家庭教師に話をしたらしいが、「どうせいつかは電卓を使うんだから…」とスタイルを変える様子はなかったらしい。ことによると、彼女自身が計算ができないのでは…とまでご両親は疑い、センターに問い合わせたところ「そんなことはあり得ません」の一点張りで途方に暮れてツテを頼って私共へご連絡頂いたという訳だ。

結局、そのセンターとの契約は打ち切って頂き、改めて私から知人の大学院生の息子を紹介させて頂いた。彼自身、読解と計算に力を入れた学校の出身なので前の轍は踏まないと思う。しかし、私の時代には考えられなかった問題が起こるものだと思う。学校という場で電卓を堂々と使えるのは理系の大学生だけだというのが私の時代の認識で「読み書き算盤」は当時もベースにあった。実際、我が家では算盤初段の妹に始まり、母が1級、銀行員だった父が2級、そして出来の悪い私でさえ3級を持っている。それがいつの間にか「時代遅れ」になり、近年また復活の兆し…歴史は繰り返すのか…

本当に様々なことを考えさせられた。