職人芸への感謝と尊敬2

呉服屋さんから連絡してもらうとその大工さんがすぐ来てくれることになった。

「梅雨時で仕事できないから暇だし…」とおっしゃってはいたが、私は恐縮してしまい、お土産にとお菓子と目利きの落語家さんに頼んで日本酒を用意した。

到着した時、私は仕事の電話に追われ、ゆっくりお話もできなかったが、何かをカンカン叩く音が聞こえ、数十分。

「終わりました」という声がかかり、バスルームに行くと元通りドアが閉まるようになっていた♪しかももったいないから…と新品に代えることなく、今までのを直してくれたのだという。

「簡単なことですし、材料もかかってないし、後輩(呉服屋さん)のお得意さんだそうですから…」と中々費用を言ってくれず、すったもんだのあげく、千円とお土産だけ受け取って大工さんは帰って行った。

その後ろ姿に昔気質の職人としての誇りと気概を見た気がして私は思わず背筋を伸ばしたのだったm(_ _)m